一定期間更新がないため広告を表示しています

  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

JUGEMテーマ:読書
桜木さん三作品目。
暗いとか、重いとか、特にこの作品ではそう言われてもしかたないかもしれません。
でもでもそれを凌駕するストーリーと、ぞくぞくする展開にわたし、たまりませんでした。好きですこの作風。

さて、話は、北海道、釧路。
民営化された図書館の館長と、地元では著名な書道家。館長の妹と書道家の妻という四人が絡み合いながら、物語は進んでいきます。館長の妹は知的な障害だけども、書道に最たる才能をもっている。書道家の夫婦は母を介護している。その母親も一癖ありと。展開は四人の思いの中で進んでいきます。

すなわち、お互いの中の「嫉妬」。
そうです、嫉妬がテーマなのです。才能への嫉妬。妻への嫉妬。相手への嫉妬などなど。
嫉妬から生まれる心の動きが最大の読みどころかもしれません。

意外なところであっと思わせていただきながら、ミステリー的要素もふんだんに盛り込みながら。
いやいや、才能への嫉妬が凄まじい。

展開的にはえーっというところもありましたけど、そうしないとラストまで持って行かれなかったと思いますから、それはそれでこれは良しとしますよ、わたしは。

「ホテルローヤル」も素晴らしかったけど、長編でこのテーマで読ませる桜木紫乃という作家に二重丸です。
この作風、この路線で素晴らしい作品に出会える日も遠くないと思います。
ますます期待の作家さんとなりました。
誰かと語りあいたいような作品です。

『ローカル線で行こう!』系のお仕事小説と思い、さらにデパートという舞台のなかでのミステリー系小説とも思いながら読み進めましたが、まんまと期待を裏切られました。ただし、面白くないんじゃないんですね。
ユーモアパニック小説というかコメディスリラー?小説というか、なんとも分類のできない小説ですね、これ。強いて言えばドタバタミステリーか。

売り上げもままならないデパート。土曜日の閉店間際、良からぬことを企む店員、自殺を企てる中年、行き場のない高校生カップル、道を外した元刑事がデパートに居残り。夜のデパートを舞台に、社長や警備員までをも巻き込み、ハチャメチャなストーリーが展開する。

これ、伊坂さんの小説を読んでいる感覚。他の作家さんと比較してはいけないんでしょうけど、本当にそう思いました。
だからといって、面白くないということはありません。上手いんです。別々の話が終わりにかけてまとまっていくその快感と言ったら、この上ない。

閉店した後のデパートの裏側を垣間見たような気がします。警備するのも大変でしょうねー。
いずれの登場人物もある事件に関わりがあるというのも話としては面白いですね。
ラストも良いです。この伝統あるデパートのテーゼが盛り込まれており、庶民に親しんでもらうデパートにしなくてはいけないというもの。
ただし、百貨店を含むデパートの現在を考えたら、相当厳しいですよね。高級品志向というイメージがあったのですが、郊外に立ち並ぶ大型ショッピングモールが、それを脅かしているんですね。百貨店が生き延びるにはどうすればいいのか。裏事情も絡みながらも、考えさせられました。

子どもの頃、デパートの屋上に行って遊んだ。それももはや遠い昔。
がんばれ、デパート。
デパートへ行こう!

1

PR

Calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< January 2014 >>

blog list

最近読んだ本

よしの最近読んだ本

Archive

Mobile

qrcode

Selected Entry

Comment

  • ダブル・ジョーカー 柳 広司
    やっくん
  • 静かにしなさい、でないと 朝倉かすみ
    よし
  • 静かにしなさい、でないと 朝倉かすみ
    ゆう
  • 一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
  • 風の影〈上〉
    ゆこりん
  • 一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
    ゆう
  • 一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
    リベ
  • シャドウ 道尾秀介
    よし
  • モノレールねこ 加納朋子
    よし
  • フィッシュストーリー 伊坂幸太郎 
    よし

Link

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM