|
評価:
芳崎 せいむ
小学館
|
<この世の漫画を二種類に分けるとしたら?読んだ事のある漫画と読んだ事のない漫画>
漫画なら何でも揃うという「金魚屋古書店」シリーズの第2弾です。
今回は、正体不明の居候、超イケメンでまんがばかの斯波さんのキャラが引き立ってますね。金魚屋の経営を任されている菜月にも随所にアドバイス。
本当に不思議な居候の斯波さんです。もっとも、菜月さんの気を引くための下心も見え隠れ。この二人の恋の行方も気になるなー。
さて、今回出てくる漫画は…。
「アドルフに告ぐ」「じゃりん子チエ」「小さな恋のものがたり」「銀河鉄道999」など、有名な漫画ばかり。
「アドルフに告ぐ」は1巻で途中やめしていたような。手塚作品の中では、その物語性に魅かれ読んだ気がします。
それそれの漫画を軸に、漫画と人との関わりが書かれています。わたしが好きなのは、「銀河鉄道999」を取り上げている『星の旅人』。お話は、ある日、友だちの時実君が「どこか遠くにいける漫画はないか?」と問われたユキヒロ。漫画好きの父親が、薦めてくれたのは「銀河鉄道999」。時実君は自分の今の父親は機会伯爵だという。実の父親を訪ねるため、ユキヒロを誘い、旅に出ることに。そこで知った悲しい事実。
ラストは、泣きます。「銀河鉄道の999」の創作秘話なども隠され、テーマともマッチしている名作です。
この2巻、物語性は1巻より数段アップしています。
金魚屋古書店に行って、いろんな漫画を読んでみたいな。漫画をめぐって、いろんな思い出が蘇ってきます。
「漫画を2種類に分けるとしたら」こんな質問に斯波さんは答えます。
「読んだ事のある漫画とまだ読んだ事のない漫画」と。
いいなー、金魚屋。名作揃いの2巻もますますパワーアップ。面白いのです。