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オンライン書店ビーケーワン:三月は深き紅の淵を

<幻の本をめぐる4つの物語>

多数の方にオススメいただいた本です。
いわゆる三月シリーズというそうで、様々な作品とリンクしています。

この世に七十部しか存在しないという匿名作家の私家本『三月は深き紅の淵を』。人に貸すならただ一人、たった一晩だけという奇妙な条件がついた、「幻の本」をめぐる4つの物語。「三月は深き紅の淵を」という本の内側とこれをめぐる外側の本書。入れ子の構造が謎を呼びます。

結局、どれが本当の『三月』なのかがよく分からなくなるのです。この本自体が「三月」ですし。
恩田陸さんは小説、物語、本が本当に好きなんだなと伝わってきます。だって、冒頭からロアルド・ダールの映画にもなった名作からだもの。
そんな恩田さんが仕掛けた罠と迷宮の世界をぜひ、堪能してください。

恩田さんの、読書遍歴も分かったような気がして、すごく嬉しい気分にもなれます。恩田さんは、小説、物語をとっても愛しているんですねー。

第1章が英国風ミステリー、第2章がロードノベル、第3章が本格ミステリ、第4章はSF仕立てなのですが…。個人的には第2章と第3章が非常に好みです。
ただし、わたしは第4章の結末というか分かりませんでした。もう少しストレートに教えて下さいよ。理瀬の物語は独立してもいいのでは。
その解決編は別の作品に繋がっているらしいいのだけれども。
第4章が納得いかないのです。

はたして、「三月は深き紅の淵を」の存在とは。そうあるんでしょうねー。しかし理瀬との関係は何なのでしょう。
どなたか教えてください。第3章からは一気読みでした。
ずるいです、上手すぎます、恩田さん。
【講談社文庫/読書読書読書

<いわゆる三月シリーズの幕開けはこれ。教えていただきました【8月19日】>
かみさまの贈りもの〜読書日記〜のゆうさんから教えていただきました。
麦の海に沈む果実」は「三月は深き紅の淵を」という作品の後、読んだ方がいいみたいです。どうやら紹介していただいたサイトを見ると、三月シリーズだということ。いろんな作品が相関関係にあるのだと。
なるほど、これは知りませんでした。
教えていただいたゆうさん、ありがとうございます。「三月は深き紅の淵を」から読み進めたいと思います。
読んだ皆さんによる、相関関係情報をお待ちしています。

オンライン書店ビーケーワン:忘れないと誓ったぼくがいた

<君のことは絶対、忘れない>

この作品はいいといわれる人と、イマイチと評価される人が分かれていましたよね。わたしはいいという評価を信じて、読んでみました。
どちらかというと、わたしにとって、後者の方に入るでしょうか。いわれるほど泣けませんでした。

タカシはメガネショップであずさと出会う。とっても不思議な少女に魅かれていくタカシだが、あずさからある秘密を聞かされる。それは自分は「消える」というのだ。

運命の出会いを果たすタカシとあずさ。互いに魅かれ合っていきますが、あずさには「消える」、つまり存在がなくなるという秘密がある。あずさに関わった人たちからもその記憶が消失しているという。しかし、タカシにはその記憶が誰よりも残っている。
ここからタカシのあずさを忘れまいとする努力と必死の救出が始まります。
しかし、しだいにあずさが消える時間は長くなっていくのです。

こんな一節、「彼女に腹を立てたり、傷つけられたと思ってウジウジしたり、わけがわからなくてイライラしたり、そういう悶々としたものを山ほど抱えていたはずなのに、なんだかそんなものは一瞬で吹き飛んでしまった」
こんな気持ち、恋する気持ちは誰にもあったではありませんか。またはありますよね。

切なすぎるて、タカシがかわいそう過ぎる。必死にノートに書き留めていく姿、読み帰す姿に感動します。そして、いよいよそのときが…。
切ないストーリーです。
恋愛小説にしたことも、間違いではなかったと思います。
しかし、なぜ消えるのかがどうも気になって、帰ってくるんだろうと思って読んでしまいました。

失敗ではなく、わたしの読み方がそうなんですよね。もうひとつは最初に消えたところ、時計屋は何の意味があるんだろう。どうも気になります。どなたか説明して欲しい。

ともあれ、この小説は成功していると思います。ラストも泣けます。しかし、のめりこんで読めなかったのは、わたしの感性のせいでしょうね。
ただただ、タカシに同情するのと可哀想だと思って読んでしまいました。

それから、すすめて下さったみなさん、ごめんなさい。いい感想にはなりませんが、注目する作家には間違いありません。
【新潮社/メモメモメモ

オンライン書店ビーケーワン:太陽がイッパイいっぱい

<見上げれば、太陽が。太陽が何とかしてくれる>

話題の三羽さんのデビュー作を読みました。いいですねー、文章が面白い。デビュー作にしてうまいんです。これはコンプリートしなくてはいけない作家さんです。

大学生のイズミは、彼女のために肉体労働をすることに。引き抜かれたのは「マルショウ解体」。彼女とは別れてしまうが、肉体労働の魅力、それは仕事を終わって飲みビールがうまかったこと。おかしなマルショウ解体の面々とイズミの成長をコミカルに描く。

本当にこのマルショウ解体のなんと個性豊かな面々。マッチョで丸坊主、身長は185センチ、体重は90キロの巨漢カン。いい男なんだけど、女性にはなぜか奥手のクドウ。サラリーマンをリストラでやめて、肉体労働の世界に身を投じるハカセなどなど。
実ににぎにぎしく、けたたましく、汗くさい物語です。
本当に大笑いするんですが、ちゃんとしんみりさせ、最後は清々しい小説です。

そんな彼らが草野球チーム「マルショウスパイダース」にも入っている。ピッチャーはカン。これがまた可笑しい。連戦連敗チームのエースはカン。ノーコンピッチャーなんですね。

そしてカンの恋人ミヤコが襲われその復讐を誓い、殴り込みをかける、マルショウの面々。カンのために、連絡をとりあい、たどり着いたハラケンとの対決。これはジーンと来ます。うまいです。

そして、イズミのこうした日々も長くは続きません。引き抜かれるんです。
カンはいいます。「したたかにな行かなアカン」
つまり「人間関係や楽しいだの楽しくないだのというコトは、うまい飯を喰う、いい暮らしをする、という現実の前にはどうでもいいコトだ」とイズミは感じます。自分が今までこの「マルショウ解体」で働いていた事は実に甘いコトだった事を、痛感します。そしてやめる決意をします。

本当に可笑しく切なく、清々しい青春小説です。いろんな場面がちゃんと後の方でも効いています。いい奴らなんですよねー。
そして、今日もマルショウ解体の1日は始まるんです。
「ご安全に!」

何てうまい作家なんだろう。何度もいいます。こんなにうまい作家はそうそういない。
きっと直木賞候補に近いうちに選ばれるでしょう。そして直木賞も取るかもしれません。それほどのエンターティメント性豊かな作家です。古い言い方だと大衆小説の新星かな。
どんどん書いてもらいたい。そんな新作が、待ち遠しい作家さんです。

さあ、ナニワのガテン系、青春小説を堪能あれ。
太陽がイッパイです。
【文春文庫/工具工具工具工具

オンライン書店ビーケーワン:Presents

<最高の贈り物>

本当にいい本です。
本自体が「Presents」なのです。
生まれて一生の中で様々にいただいたものを、角田さんが切り取っています。

うまいです。
最初のプレゼントは「名前」。最後のプレゼントは「涙」。
一生のうち、どのくらいの贈り物をいただけるのかな。
心に響くものは、人それぞれに、違いますよね。
角田さん描く、こんな人生を過ごせたらなんて幸せなんでしょうか。

それぞれの話の中にある、挿絵の松尾たいこさんの描く挿絵もGood。数珠の短編集です。
こんな素敵な本に出合えて、この本こそがわたしにとっての「Presents」です。
ちなみにわたしのこれまでのプレゼントたちは、
「ビートルズ」「ラジオ」「ギター」「本」「万年筆」「手帳」「時計」「見舞い」
そして「家族」かな。

角田さんのようにうまく書けなくても、きっと誰にもあるんですよね。
最高の贈り物でした。誰かにプレゼントしたくなる本です。
【双葉社/プレゼントプレゼントプレゼントプレゼントプレゼント

オンライン書店ビーケーワン:ダイブ!! 下

<重要なのは今、自分がここにいること>

3章は予想通り、要一の章でしたね。オリンピックの代表に選ばれるんですが…、な、なんと、返上してしまいます。日本水泳連盟の策略、つまり要一を広告塔にしたいとする連盟。そんなやり方に要一は悩んだ末に出した結論は代表選手を返上。
そして、実力で代表を選考するよう直談判するんです。

それも、なぜか認められて白紙に。代表選手は選考会で600点以上の選手で決めるということに変更されます。
そして、その選考会に向け、要一のSSスペシャル'99、飛沫のスワンダイブ、知季の四回半、それぞれの決め技を極めていきます。
いよいよ、代表を決定する選考会が始まるのですが…。
4章は競技会のシーンだけで終わると思っていたのですが、見事に裏切られます。

三人の周囲の家族や恋人やコーチ、それぞれの視点から選考会は進んでいきます。そして結果は…。
意外にも、こんなところにもピンキー山田が…。はおいしいところをさらっていきましたねー。
こんなところの脇の使い方もうますぎです。

本当に最後まで読み進めるのが惜しくて、もったいない。そして、結果が早く読みたい。
それぞれの最後の飛び込みに興奮し、感動してしまいました。いいシーンが目白押しです。すべての役がピタッとはまる。上手すぎますよ、森さん。

いやはやすごい小説でした。もちろん、満点評価。少年たちの飛び込みに青春をかけた姿と、このスポーツの奥深さをこんなに激しく伝える小説はめったにない。単なる飛び込みに終わっていないところが実にいいんです。
これぞスポーツ、青春、友情小説の傑作です。今年はこの作品を読むためにあったとわたしは思います。もっと早くこの本を読んでいれば…、そんな悔いの残る作品でもありまし
た。
【角川文庫/水泳水泳水泳水泳水泳

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