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オンライン書店ビーケーワン:天使の卵(エンジェルス・エッグ)

<手に入れると決めたら、絶対あきらめない>

19歳の予備校生の歩太は、ある日電車で、美しい女性と出会う。その人の名は春妃。やがて、春妃はあろうことかガールフレンド夏姫の姉であった。そして、父が入院している精神科医でもあった。次第に魅かれていく二人。年上の女性に恋をした、一途なラブストーリー。

村山由佳さんは、初めての作家さんです。この作品がデビュー作ということなので、楽しみに読みました。
文章が初々しく非常に読みやすい、流れるようにきれいです。春妃との出会いの描写などは本当にきれい。春妃の美しさが際立っていると思います。そして、病院での再会。

夫との悲しい過去を背負いながら、精神科医となった春妃。うつ病になった父、そして懸命に家庭を支える母。そして、母の恋人。不安定な青年の心にはカウンセリングが必要だったんです。そして、そのカウンセラーが春妃。

しかし、父の事件をきっかけに、ダメージを受けてしまうのは春妃。それを支えるのは歩太。当然といえば、当然の結果ですよね。しかし、悲しい結末が待っているんです。
この結末は、ちょっと待てよという気にもなりますが、まあ良しとしましょう。
だって、デビュー作ではありませんか。

ラストの春妃が残したもの。歩太がたった一つ持ち出そうとするものに、涙、涙です。
ストーリーもありきたりといえばありきたり。ガールフレンド夏姫がもう少し絡むのかと思いきやそうでもなく、純なラブストーリーです。しかし、この作品が読ませるのは作者の、文章力です。何度も言いますが、簡潔で美しい。無駄なものがないんです。

自分を形成したのは、家族のせいにする歩太があまり好きではなかったのですが、まあそれもストーリーで解消ですね。
どうでも続編「天使の梯子」という作品も出ているみたいなので、こちらの方も読んでみなくてはと思っています。
不満なストーリーながら、読ませる力量には脱帽の作品です。
【48冊目/集英社文庫/アートアートアート

<みずみずしい感性>(8月4日)
内容(「BOOK」データベースより)
そのひとの横顔はあまりにも清洌で、凛としたたたずまいに満ちていた。19歳の予備校生の“僕”は、8歳年上の精神科医にひと目惚れ。高校時代のガールフレンド夏姫に後ろめたい気持はあったが、“僕”の心はもう誰にも止められない―。第6回「小説すばる」新人賞受賞作品。みずみずしい感性で描かれた純愛小説として選考委員も絶賛した大型新人のデビュー作。


さて、この作品はSNSでお世話になっている、ぱすてるさんのオススメ本です。
まったくわたしにとって、未知の作者です。それもデビュー作なので、この作品で今後読むかどうかの分岐点かなー。わたしにとって、久々の恋愛小説なのでこれもまた楽しみです。これから読みます。
読まれた方のコメント、TBなどをぜひぜひお寄せください。

【この作品のコメント、TBをいただいたブロガーさん】
かみさまの贈り物
じゅずじの旦那

オンライン書店ビーケーワン:風に舞いあがるビニールシート

<不器用に、頑なに、懸命に生きる姿が感動を呼ぶ>

第135回直木賞受賞作品です。この作品を読んだ人のほとんどの人が、その上手さに感心すると思います。
不器用だけれども、頑なに、懸命に生きる。世の中には様々な人が、懸命に生きています。わたしはどうか…。懸命とはいえないが頑なには生きているなー。そんな、あなたやわたしが読むとこの作品で、さらに頑張ろうと思えます。

「器を探して」…ケーキ職人の秘書の話。才能豊かなケーキ職についたものの、わがままで嫉妬深い先生に愛想を尽かしつつ、離れられない弥生。
「犬の散歩」…捨て犬保護のボランティアの恵利子。その餌代のためにはスナックのホステスまでして、里親探しに奔走する。
「守護神」…レポートの代筆をするというニシナミユキ。祐介は代筆を依頼するが、あえなく断られる事になるが…。
「鐘の音」…仏像修復師の本島。人の付き合いとまじめさがあり、師匠からも突き放されている。そんな彼が25年ぶりに訪れた場所は。
「ジェネレーションX」…苦情のお詫びにと一緒に回る事になったのは、新人類、石津。携帯で連絡しているのは、10年ぶりに約束しているある計画の事だった。
「風に舞いあがるビニールシート」…国連の難民救済に奔走するエド。そんなエドに魅かれ結婚した、里佳。難民救済の最中、非業の死を遂げるエドに里佳は立ち直れない。

という、6話があります。
わたしが好きなのは、「守護神」「ジェネレーションX」「風に舞いあがるビニールシート」。
「守護神」の強がりで、良いカッコしてレポートを依頼するが、人一倍信頼され、頑張ればできるという祐介の本質を見抜く、ニシナミユキ。自分でもきづいているんですよね、祐介自身も。
「ジェネレーションX」は世代を超えて、携帯電話のやり取りから野球の試合を成立させるための必死になる青年との交流を描きます。こ、これは、重松清ではないですか。切なくて、最後はほっと安心させられ、和む結末です。人間捨てたものではないと思うお話です。
そして表題作「風に舞いあがるビニールシート」。はっきりいって、エドのひたむきな気持ちには惹かれるが好きではないです。言葉の端々に「難民が置かれている状況の中で、ぬくぬくと生きていること」の罪悪感。体験している人たちにしか、分からない事かもしれません。それなら里佳を巻き込むこともしないで欲しかった。
でも、不満と思いつつ、エドのそういう一途な気持ちに魅かれていることがわかった、里佳が立ち直ってゆく姿に感動します。

どの話もひたむきに、生きる姿を淡々と書かれています。静かに温かく見つめる作者の目線。みんな懸命に生きている。そう、自分も懸命に生きよう、いや生きているのだ。だから、人生楽しく面白い。そんな気にさせられる、作品です。
うまいです。上手すぎる作品に仕上がりました。今や風格のベストセラー作家、森絵都さん。
今後の作品にも目が離せません。
静かな感動をいただきました。
【47冊目/文藝春秋/拍手拍手拍手拍手拍手

<購入した後、サイン本が店頭に悲しい(8月10日)>
内容(「BOOK」データベースより)
愛しぬくことも愛されぬくこともできなかった日々を、今日も思っている。大切な何かのために懸命に生きる人たちの、6つの物語。


すでに読了した本なのですが、今日、書店に行ってみると、な、なんとサイン本が店頭に。作品があまりにも良かったために、ぜひぜひサイン本が欲しかった。
しかし、生活苦のため買う余力はなく、あきらめる事にしました。
本を買うタイミングも難しいものです。
評判の作品は早く読みたいし。何とも悲しい日でした。

<直木賞の本命中の本命が見事受賞。オススメします(7月17日)>
第135回直木賞を見事、受賞。
わたしはなんとなく予想していましたが、見事的中しました。
そんな中、現在購入して読んでいますが、これがいい。
読了後に詳しくは感想を載せますが、自分の道を貫き通す主人公達の6つの人生のお話です。どの短編も精度が高く、すごくいいんです。もう少しですが、早くもオススメします。

<わたしは未読だけど、直木賞最有力候補だと思う(7月4日)>
ビーケーワンさんのポイントで買った本がこの本です。
各書評で相当いいみたいですので、楽しみです。
直木賞候補作になっていますが、わたしはこれまでの作品を読んでみて、大本命だと思うのですが、どうでしょう。
森さんは、すでに実力派だと思います。とって欲しい作家さんです。

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オンライン書店ビーケーワン:町長選挙

<無理して生きることの馬鹿馬鹿しさ。伊良部先生、健在>

伊良部シリーズ第3弾。相変わらずの伊良部先生の下を訪れる、悩める患者さん達は各方面の有名人のそっくりさんばかりの悩める方々。こんな方々です。
「オーナー」…プロ野球のワンマンオーナー。しかし、マスコミの前に出るとパニック障害に陥る。
「アンポンマン」…IT企業の社長はひらがなが思い出してもでてこない。
「カリスマ稼業」…有名女優は、自分の若さを崩さないために日々、エクササイズ。
「町長選挙」…表題作は伊良部先生が離島に赴任。そこは町長選挙の真っ最中。そんな島を二分する選挙に出向している青年が板ばさみ。伊良部先生も当然巻き込まれる。

いやー、面白い。あっという間の至福の時間でした。笑って笑って、なるほどとうなずきき、どこかで現実の中で疲れきっている自分もいたりして。そう思うと、伊良部先生の言葉が響いてくるんですよね。
オーナーには「リタイヤすればいいじゃない」カリスマ女優には「太ったらいいじゃない」。文字を思い出せないIT企業の社長は保育園でカルタとりをさせる。
「町長選挙」では棒倒しで決着を図る。まさに伊良部先生、自然体なんですよね。自然体で賄賂ももらってしまいますが…。

一番笑ったのは「アンポンマン」かな。パソコンの使いすぎでひらがなが分からなくなる。といっても、笑ってばかりではいられません。こんなことありますよねー。ひらがなじゃなく、漢字はしょっちゅう思い出せないことがあるんですよね、わたし。そんなパソコン依存のあなたが読むと身につまされるのでは。相当な皮肉がこめられているんですよね。

看護師のマユミちゃんもパワーアップ。お色気はもとより、患者や先生さえも平気で金盥を落とすんです。相変わらず、貴重なキャラ。マユミちゃんで救われる事もあるんです。

非常に面白い。現代人が読むべき処方箋かも知れません。教えてくれるのは、無理して生きる事のばかばかしさ。伊良部先生の自然体こそ、わたし達が最も必要な事なんですよね。
いやー、今回も癒されました。
【46冊目/文藝春秋/イヒヒイヒヒイヒヒイヒヒ

【コメント&TBをいただいたブロガーさん】
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オンライン書店ビーケーワン:夏期限定トロピカルパフェ事件

<小山内スイーツセレクション・夏>

小市民シリーズ第2弾。高校2年生に進級した、小市民を目指す小鳩君と小山内さん。「小山内スイーツセレクション・夏」の制覇を目指し、夏休みをスイーツ三昧。しかし、このセレクションに大きな謎と意外な事実が。

いやー、面白かった。第1作の展開から行くと、何でこうなるのかと、あまりに予想外の展開に口あんぐり状態です。
短編集ではなく、長編に近い連作短編集です。短編自体も謎があって、その謎をきちんと、小鳩君あるいは小山内さんが解決してくれます。

個人的には「シャンロットだけはぼくのもの」の小鳩君がおかしくて可愛いですね。いつもの探偵役が犯人になるという、引き込みのうまさに脱帽。
小鳩君は主役ではなく、章が進むにつれ、小山内さんが主役だという事に気付きます。
何のための「スイーツセレクション」なのかがあらわになってくるんですね。どの章にも仕掛けと伏線が貼られ、ちゃんとつながっていきます。

それにしても、甘いものは苦手なわたしも、このスイーツの数々を目にしたら、食べてみたいと思いました。
マンゴープリン、宇治金時、黄桃パフェ、フローズンすいかヨーグルト、りんごあめ、そしてトロピカルパフェなどなど。
ラストを飾る表題にもなっているトロピカルパフェのなんと甘く、小鳩君にとっては苦い味のものか。
うまい、うまい。本当にうまい。スイーツと小鳩君の気持ちが何と不釣合いなのか。

それにしても小山内さん、やりすぎでしょ。いくらこうするしか方法がないとしても…。やっぱり、小鳩君も引くと思います。そんな小山内さんとの関係は次回作「秋期限定マロングラッセ事件」(仮)に持ち越されます。いやーそれにしても気になる、この二人も、スイーツも。
そして気になる作家さんですね、米澤さんは。
【45冊目/創元推理文庫/ケーキケーキケーキケーキ

<小市民シリーズ第2弾(7月31日)>
図書館に予約本を取りに行ってきました。
今回、必ず読もうと思っている本は、この作品です。
「小市民シリーズ」の第2弾。どうやら、秋には第3弾が出るらしいのですが。
このシリーズの面白さは、ヒロイン小山内さんの中学時代の謎なんですね。
第1作では謎のまま、終わってしまったので、この2作目で解明できるのでしょうか。小山内さんの復讐心って、何が原因なのだろう、気になる。
読まれた方の感想とTBお待ちしています。ただし、ネタバレはだめですよ、今は。

【この作品はこんな感じです】
まったり読書日記
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