<数字、それはなんて美しいものなんだろう>
家政婦のわたしは、事故のため記憶が80分しかもたない数学博士の下にいくことに。靴のサイズを発端に、わたしと阪神タイガース大好きの息子√とともに博士との奇妙で温かい交流が始まる。
淡々とわたしと息子と博士の、日常が語られていきます。
80分しか記憶がない博士の家政婦となった、わたし。しだいにこの数学博士の数字の魅力に取り付かれていきます。
「君の靴のサイズはいくつかね」で始まる数字の魅力にはまっていきます。
誕生日と博士の論文の賞の数字が、友愛数であると語られていくところから、切り離せない存在になっていくんですね。
そして息子√と博士の関係。阪神タイガースが大好きな息子√。江夏が活躍している時代しか記憶にない博士。博士を気づかう√少年。なんて愛情深い、いい子なんでしょう。
ケガをしたときに博士を気づかうルート少年に涙しました。
√の誕生日のシーンも涙。
なんて奇妙で不思議で悲しく、温かい作品なんでしょう。
いい作品です。
そして、わたしにとってはもうひとつ。江夏なんです。わたしの時代のヒーローですよね。王、長島をライバルとして、牙をむいた江夏選手ののエピソードが満載です。江夏選手の背番号も完全数なんですよね。
日ごろは何気なく見ていた数字の世界。あっ、これは素数ではないか、なんて思って数字の世界にはまっています。フェルマーの最終定理も出てきます。
80分の記憶なのでメモだらけの博士。それを受け入れ、接する親子。いい話だなー。
しかし、疑問。博士の愛した数式は一体なんなのですか?
今いち、その意味がわからなかったのが、わたしの不満。
これは一重に読み手のせいでしょう。
何度もいいます。いい作品です。第1回本屋大賞受賞作品もうなづけます。
ぜひ、ぜひこの名作を読んでいただきたいのです。
<スランプ中だが、この本だけは読みたい(4月4日)>
というわけで、昨日、図書館で運よく見つけることができました。
今、読書は絶不調なのでこの本だけ借りることに。
どんな数学の世界があるのでしょうか。楽しみです。
<数学者、この奇妙な人たち(3月24日>
昨日の朝、森本毅郎さんの「日本全国8時です」の中で、数学者について、語られた。数学者にとって、7つの難問があるという。
その一つが、「四色問題」。これは白地図を何色で塗り分けられるかというもの。確か、「容疑者Xの献身」(東野圭吾)でも解いていたような気がする。
話は、数学者が奇妙さゆえに取り上げられるから始まり、表題作の映画。そして、「フェルマーの最終定理」など、世界の数学者を悩ませる難問について語られ、数学の世界は面白いと結ばれたような…。
そういえば、やたらと数学者が本の世界でも取り上げられていますね。
そしてその代表作が「博士の愛した数式」。
本も映画もわたしはまだ触れていませんが、少し興味が出て来たので本から読もうと思ったのでした。こんな話題本をまだ未読というのも恥ずかしい。