- 2014.01.17 Friday
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あの小泉純一郎元首相が在任中に感銘を受けた本として、一躍有名になった作品です。
なんと内容は歴史小説と思いきや、歴史ミステリーでした。
本能寺に倒れる直前、後に「信長公記」を記した家臣太田牛一に、信長は5つの棺を託す。安土城下を抜け、西に向うも佐久間に囚われてしまう。その後、秀吉に、信長の伝記を執筆することを条件に牛一は助け出される。 なぜ、中国で苦戦していた秀吉が自分を助けることになるのか。頼ろうとした柴田は?そして、明智は?囚われの身のなっていた牛一は理由がつかめない。そして、最大の謎、信長の遺骸はどうなったのか。そして、信長の伝記を描き続けた今、秀吉も死地に向かおうとしている。
いやいや、いろんな謎が一気に提示されます。まず、5つの棺は何か。信長の遺骸はどこに?光秀はなぜ、暗殺をほのめかすような連歌を作ったのか。桶狭間の合戦で信長はなぜ勝つことができたのか?などなど。ちょっとてんこ盛りすぎるのではと、感じてしまいますね。
上巻は牛一が信長の家臣となって、託された棺、本能寺の変から秀吉の醍醐の大花見会に招待されるまでを描いています。信長の伝記を作るという使命により、各地を調査に回るという探偵役なんですね。いわば、太田を探偵役としつつ、作者自身が探偵となっている手法です。
合戦シーンや極めつけの印象に残るやり取りは、ないんです。ただ、信長の謎を冒頭からちりばめて、上巻はその謎の提示ながら一気読みしてしまいました。牛一は言います。「奇跡とは必ず裏があるもの。歴史とは強者の作り話に過ぎない」
そうした、牛一の言葉がこの作品の全体を作っているのですよね。
謎は解明されず、下巻に向かいますが、さてさてどうなるのでしょうか。早く読めば良かったな〜、これ。なるほど、おもしろい。