<歴史に埋もれた事実に涙。文庫化されました>
ぱんどらさんのぱんどら日記から、旧blogの方にTBをいただきました。この場をかりて返信とお礼をさせていただきます。
この作品、いつの間にやら文庫化されていたのですね。
これほど、前半と後半が違う作品も珍しい。特に前半の移民生活のくだりはは涙なくして読めません。
後半は痛快、復讐劇になっていきますが…。いい作品です。どうやら垣根さんの新作「ゆりかごで眠れ」もこの流れの作品のようですが。
垣根さんの作品も注目ですね。
↓の感想は旧blogから持って来ました。
<2005年2月12日>
いやー、長い。上下2段500P超。久々の長編にぐったり。でも、心地よい爽快感がある作品でした。垣根さん、好きな作家になってしまいそうです。この作品でブレイクしたと思います。今年、傑作の予感がする作家さんです。
1960年、日本の移民政策により、ブラジルに生活をかけ移住する日本人達。開墾して農地を作る。そこには、豊穣な大地と希望が詰まっているはずであった。しかし、その現実は過酷な気象とやせこけた赤土の大地。さらに、風土病。政府の宣伝とはかけ離れたものだった。そして、次々死んでゆくのだった。生き残った者とその子どもが復讐を誓う。その最初の試みは外務省襲撃。緻密に準備していた計画、そして実行。
そこで一人の女性、貴子に近づく。日本政府の非を裏打ちするために、放送局の女に手を出したのだ。そして、次の復讐が始まった…。
ブラジル移民たちの悲惨さに思わず涙。そうした、過去に埋もれていく実態があったことを痛感しました。
一人ひとりが際立っています。主人公のケイが特筆もの。
さまざまな過去の伏線も見事。すべてがそこに収まっていきます。
もう一人の主人公貴子が現れたときから、急展開。ノンストップで一気読みでした。この貴子、本当にいいです。残念なことは、追うものの人物造詣が今いちだったこと。秋津管理官がいい味出しているんですが、さらっと流されています。
それをさしひいてもこの作品はすごい。本年度私が読んだベスト1候補間違いなしです。限りなく5つに近い、★★★★☆
ブログのお引っ越しとのことで、新しいブログのほうにトラックバックさせてもらいます。
記事からもリンク張っていただいて本当にありがとうございます。
こちらのリンク集に入れさせていただきますね。今後ともよろしくどうぞ♪