- 2014.01.17 Friday
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ベッキーさん三部作の2作目。
前作「街の灯」は昭和7年。この作品はそれから1年後、昭和8年
関東大震災後、着実に復興して繁栄を始めた東京。世はモガ・モボ
そんな時代が、実に細かくその時代に暮らしているのじゃないかと
繁栄ばかりでなく、満州事変と「満州国」、上海事変、そして国際
「自由」ということさえ、はばかられる時代に入っているのですね
そんな時代を背景に英子とベッキーさんは、身近な謎や事件を解決
兄弟同士が犬猿の仲。それは死亡記事が発端だった。両家が顔を合
失踪した友人は、奇妙な手紙を残す。それを手がかりに友人を探す
新築パーティーで、ステンドグラスの天井から墜落した思想家。死
消失、暗号、殺人というミステリの要素てんこもりです。
極上のミステリの中に人々の生活や息遣い、悲しみや別れ、そして
特に表題作「玻璃の天」は、謎だったベッキーさんの過去が明かさ
「金魚鉢の金魚には、水が見えない」
私たちが、今を生きる上での教訓としていかなくてはいけない言葉
極上の北村ミステリを堪能あれ。
ベッキーさんシリーズ第1作。
舞台は昭和初期の東京。主人公の英子は、財閥の社長の令嬢。通っ
この作品の面白さは、北村作品ではすでにおなじみ。様々な本です
ベッキーさんは父の「知っている人の娘さん」というだけで、その
新聞の変死事件の謎に挑む「虚栄の市」。英子の兄が友人から出さ
わたしが好きなのは「街の灯」ですね。これあの映画名です。その
街には軍人の姿もあり、不穏な空気が押し寄せています。
幸せな日々も崩壊することを読者は知っています。そうした時代の
ベッキーさんの謎も秘めて、第2作に続きます。
深い余韻の残る作品でした。さすがの北村さんです。