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企業のリストラを代行する会社に勤める真介の仕事は、クビ切り面接官。「人間にとって、仕事とは何か――」。たとえどんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、真介はこの仕事にやりがいを感じている。今回のターゲットは、英会話学校、旅行会社、自動車業界、そして出版社だが……。働くあなたに元気をくれる傑作人間ドラマ。【新潮社HPより】

先ごろ、NHKで「君たちに明日はない」「借金取りの王子」がドラマ化され、待望の第3弾です。
ドラマ化されると、イメージが脳裏に張り付くので、この作品も坂口憲二主演で、イメージが固定化されるんだよね。おまけに、芹沢陽子は田中美佐子だし。これもまた少し違うような…。
ドラマまたは映画化と同時に新作を発表するというパターンは、便乗商法ぽくって好きじゃないんだよな。せっかく、いい作品なんだから、もったいないような気がするんです。

全回クローズアップされ、少し期待していた、リストラ会社の社長、高橋氏も今回は期待外れ。しかし、その徹底した世界観はますます、エスカレート。期待していた芹沢さんとの仲は私の思い違いだったのでしょうか。
もう一人、今回目立っていたのは、村上の友人でもある山下。不動産コンサルティングという怪しげな職業だが、企業を見る目を持って、的確に村上にアドバイスするが、これっていいの?
まあこういう友人を持つことが強みかな。

もうひとつ、今回は、垣根さんの趣味全開って感じがしますね。特に、「みんなの力」の車好きの面々。これって、垣根さんの素でしょう。専門用語も全開で、これは趣味で好きにならなくては、分からない領域でしょう。明らかにMAZDA社とわかるところも、好きなんですよね。TOYOTA社が問題になる中、頑固にこだわるMAZDA社というのは目立たないけど、好きなんですわたし。地元企業だし。

今回もリストラ請負人村上真介が請け負う会社の面々の、苦悩や人生が描かれています。3作目ににして、やっとわかったのは
村上が主人公だけれども、本当の主人公は、この話にでてくるリストラされる側の人たち、つまり私たちの人生なんですね。そこにスポットをあてています。村上の目ではなく、それぞれの側からの視点が強調されているようなきがします。

英会話学校、旅行会社、自動車、出版社。おりしも、不況のおり矢面に立つ業界ではないか。
そういうところを取り上げる作家さんだから、読めるんでしょうね。
このシリーズ、現代を生きるわたしたちの応援歌と取ってもいいような気がします。根底は人に対する優しさかな。村上もリストラされる人たちも、どこかでそう思っている。だからこそ、読まなくてはいけない作品だと思うのです。

 <リストラ請負人、村上真介ふたたび。主人公はあなたやわたしかもしれない>

リストラ請負人、村上真介シリーズの二作目です。前作「君たちに明日はない」では、主人公の村上真介のキャラが立ってましたけど、今回はやや抑えた感じかなー。
決して、爽快な話ばかりではありませんが、余韻が残る作品になっています。

村上真介はリストラ請負人。デパート、サラ金、生保などの会社から雇われ、リストラのために乗り込んでいく。時には、しかたなく、時には同情を感じながら、仕事をこなしていく。リストラに直面した人たちの人生を描く五つの話。

いやー、面白かった。しかし、素直に笑えないよなー。ここに出てくる人たちは、会社勤めのサラリーマンばかり。
そう、私と同じ境遇ではないか!一つ間違えば(間違わなくても)、明日にもリストラの身。そんなわが身を感じつつ、読み終えました。

例えば「二億円の女」を見よ。デパートの外商営業部で働く営業目標、二億円の女性。仕事も順調なのだが、リストラ応じようとする。果たして、なぜ?答えは「数字に追われるのが嫌だから」
分かるよなー、分かる。
最初に入ったデパガに異動になって、輝きを取戻すというお話。

「借金取りの王子」は金融会社に勤める男の話。イケメンで王子と呼ばれた男はなぜ、リストラに応じようとするのか?

「山里の娘」は有名旅館の従業員のお話。難なく仕事をこなしつつも、都会で働きたい欲望を抑えきれず、リストラに応じようとする。

この三作は特にいいですね。表題作「借金取りの王子」のラストの美佐子と宏明の会話がいいですね。涙なくして読めません。いいなー、この夫婦。幸せとは仕事の価値ではないんですね。それを教えてくれる作品です。

皆、収入には不自由していないが、会社の中で働き甲斐や生きがいを感じないまま、過ごしている。つまり、いつでも辞めたいと思っている人たちなのである。家族のために、身を粉にして働く人もいますが、そんな人たちとは一線を画している登場人物なのです。もちろん収入も考えなくてはいけませんが、それよりも人間としてのモラルであるとか、生きがいであるとかを模索している人なのです。
どんな会社や生活の中でもある、悩み。つまり、ここに自分がいます。常識って何?会社って何?そう考えさせられるんですね。そして、このお話に出てくる人たちが見つけた居場所とはどこなんでしょう。

何とリアルな現代を書いてくれるのだろう、垣根さん。
これは現代小説であるとともに、社会小説でもあるとわたしは、思います。このシリーズが書き続けられれば、日本経済の構図が分かるのではないかな。
リストラ請負人を極力抑えつつ、リストラを受ける側を描いたこの手腕に脱帽です。

読み応え在り。前作で垣根さんの意欲作と失礼な書き方をしたと思いますが、もういいません。垣根さんの代表作にしてしまいました。これは、いい作品です。

<リストラ請負人、厳しい現実が他人事ではない>

リストラを行うことが自分の仕事、「リストラ請負人村上真介」。そんな彼が請け負って出会うのは怒る女、オモチャ屋の男、旧友、元コンパニオン、音楽プロデューサー。シビアな現代を描きつつ、決して暗くない5つの短編。

うーん、リストラ世代になった今、この短編集は自分にとっても、決して笑って読むことができませんでした。こういう人物の設定や、リストラの対象にされる人たちを見るまなざしも、優しい視点で書いて欲しいのですが…。主人公はリストラ請負人だけあって、淡々と自分の仕事をこなしていきます。一人ひとりを査定で評価してリストラに追い込めれば良いのですが、簡単にそうはいかないのがまた現実的。何ともいえない複雑な気持ちに。

ただ、この作者はこうしたテーマを決して暗いものではなく、展望を持った書き方をしているところがすごいなーと感心してしまいます。読ませる力量はさすがです。名作「ワイルド・ソウル」のノリはこの作品にも出ていています。ある意味この作者の特徴なのかなと思ってしまいます。

人物の設定も面白い。主人公の恋人芹沢陽子との出会いとその後。
彼といつもコンビを組んでいる川田陽子は美人なのだけれども、今風のボケの持ち主。そんな彼女とは一定の距離を置いて付き合っています。そしてリストラの対象になる人たちの悲哀。

この主人公、マザコンなのか、かなりの年上の女性を好みます。その辺をもう少し書いて欲しかったのと同時に、現実的な生活の臭いが感じられない主人公なのです。全て完璧。

しかし、このテーマでここまで読ませるのは作者の力量。今後も読む作家だと思いますね。ACT.3「旧友」の夫婦の会話には泣きました。この作品の中でも絶品です。

良くもあり、悪くもあり。しかし、力量は認め、期待する。そんな作家さんは、誰にもありますよね。わたしにとってはきっとそういう作家さんでしょう。
結論は全体的にはいいが、個人の思い(読む側の)に左右される本でしょう。このテーマに挑戦した作家の意欲作と取りたい。  

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