- 2014.01.17 Friday
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企業のリストラを代行する会社に勤める真介の仕事は、クビ切り面接官。「人間にとって、仕事とは何か――」。たとえどんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、真介はこの仕事にやりがいを感じている。今回のターゲットは、英会話学校、旅行会社、自動車業界、そして出版社だが……。働くあなたに元気をくれる傑作人間ドラマ。【新潮社HPより】
先ごろ、NHKで「君たちに明日はない」「借金取りの王子」がドラマ化され、待望の第3弾です。
ドラマ化されると、イメージが脳裏に張り付くので、この作品も坂口憲二主演で、イメージが固定化されるんだよね。おまけに、芹沢陽子は田中美佐子だし。これもまた少し違うような…。
ドラマまたは映画化と同時に新作を発表するというパターンは、便乗商法ぽくって好きじゃないんだよな。せっかく、いい作品なんだから、もったいないような気がするんです。
全回クローズアップされ、少し期待していた、リストラ会社の社長、高橋氏も今回は期待外れ。しかし、その徹底した世界観はますます、エスカレート。期待していた芹沢さんとの仲は私の思い違いだったのでしょうか。
もう一人、今回目立っていたのは、村上の友人でもある山下。不動産コンサルティングという怪しげな職業だが、企業を見る目を持って、的確に村上にアドバイスするが、これっていいの?
まあこういう友人を持つことが強みかな。
もうひとつ、今回は、垣根さんの趣味全開って感じがしますね。特に、「みんなの力」の車好きの面々。これって、垣根さんの素でしょう。専門用語も全開で、これは趣味で好きにならなくては、分からない領域でしょう。明らかにMAZDA社とわかるところも、好きなんですよね。TOYOTA社が問題になる中、頑固にこだわるMAZDA社というのは目立たないけど、好きなんですわたし。地元企業だし。
今回もリストラ請負人村上真介が請け負う会社の面々の、苦悩や人生が描かれています。3作目ににして、やっとわかったのは
村上が主人公だけれども、本当の主人公は、この話にでてくるリストラされる側の人たち、つまり私たちの人生なんですね。そこにスポットをあてています。村上の目ではなく、それぞれの側からの視点が強調されているようなきがします。
英会話学校、旅行会社、自動車、出版社。おりしも、不況のおり矢面に立つ業界ではないか。
そういうところを取り上げる作家さんだから、読めるんでしょうね。
このシリーズ、現代を生きるわたしたちの応援歌と取ってもいいような気がします。根底は人に対する優しさかな。村上もリストラされる人たちも、どこかでそう思っている。だからこそ、読まなくてはいけない作品だと思うのです。