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僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて……。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説――と思いきや、最後から2行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず2回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。 解説・大矢博子

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いやー、強烈に面白くて、ページを繰る手が止まりませんでした。まさにノンストップの面白さ。
止められなくて、寝不足になってしまいました。

この作品への思いは何とも複雑で、エリンと王獣リランとの、心を通わせるシーンに、まず泣きます。
誰も見たことのない野生の王獣を飼いならせていく、エリンですが、そこには親としてエリンを見ていたと思ったいたのですが、突然、凶暴な姿を見せます。そこが、またショックで。エリンも読み手も、ショックを受けるのですね。
音無笛を用い、リランを操ることを決意したエリン。そこには、人という生き物が王獣を支配することの難しさが描かれています。
もちろん、それだけではありません。

リョザ神王国の複雑な政治情勢は、必然的にエリンを巻き込んでいきます。何ものかが闘蛇を用いて、真王を襲撃するシーンは迫力満点。そこに、闘蛇が天敵としている、王獣が現れるシーンは爽であるとともに、獣と獣だけが感じる関係があります。そこには人間が決して介在することができないもの。弱肉強食という掟があるのですね。

政治の道具として、エリンは巻き込まれていきますが、リョザ神王国がなぜ、「王獣規範」で王獣を縛っていくのか、その秘密が最後に明らかにされます。そこにはこの国の不幸な成り立ちが隠されているのです。それは、まさに人間が人間を支配することが描かれているのです。そして、壮絶なラストへ繋がっていきます。
エリンとリランは心を通わせるのか。それとも獣の姿を見せるのか。

「王獣規範」では決してやってはいけない信じあう獣と人間。本当に最後まで、それができるのかとドキドキして読ませます。ラストに涙したのは、わたしだけかな。

凄い物語を読みました。しかし、嬉しいことに著者自身はもう書く気がなかったというこの物語の続編が出されていること。エリンとリョザ神王国のその後が描かれています。
読者が後押しした作品とも言えるでしょうね。
いや、とんでもなく凄い!

いろいろ、話題になっていたのですけど、やっと読みました。まずは、その序章。
わたし、ファンタジーは読まない(読めない)と思っていたのですが、これは、すっと入りこみました。というより、すごい作品を読んでいるのかもしれない。

リョザ神王国、闘蛇の医術師母と少女エリンは幸せに暮らしていたが、母は闘蛇の不審な死の責任を問われる。ここからエリンの苦難の人生が始まるのだが。

母への思いと、自分も獣の奏者となる決意。
そして、リョザ神王国をめぐる状況に巻き込まれてゆきます。

ファンタジーながら随所に泣き、エリンの勇ましさ。育ての親ジョウンの優しさにウルっときながら、別れが訪れるのだが、これまた涙。
「この世に生きるものが、なぜ、このように在るのかを、知りたいのです」。さらに、同じ境遇の王獣と献身的な介護。心を通わそうとするエリン。

闘蛇の奏者であった母と、王獣の奏者になろうとしているエリン。そして、リョザ神王国の二つの勢力にエリンの運命は翻弄されていくのですね。

いやー、すごい。この物語の凄さは読み終わらないと何とも言えないが、これだけは言えます。傑作の予感がします。ただし、これはすでに評判高いのでみなさん、分かっておられますよね。
まだほんの序章。2巻もさっそく購入してしまいました。

久しぶりの井上さんですね。この作家さんは、わたしにとって、気持ちよく読めるときと、合わない時の差が激しい作家さんです。
で、この作品はどうかというと…。
井上さんらしい、小説といっていいのではないでしょうか。
わたしは、なかなかいい作品だと思います。

内容的には、ある一時期に過ごした、男との体験。それは、不倫や一時的な欲望を、物を通して、浮かび上がらせるというもの。10の作品の中に、その時の葛藤や、感情が、そして、ある物を通して浮か上がる真実などが描かれていて、実にうまい恋愛小説ですね。そして、どれも恋の終わりを暗示
していて、この辺が実にうまいんです。
 
わたし的には、大学生のカップルの話の「手紙」が好きですね。
たまたま彼の部屋で見つけた「手紙」。それが別れに繋がっていく。相手は手紙だけなのですが、どうしようもない不安感に苛まれるんですね。別れはこういうものなんですよね。
「裸婦」は怖いですね。ホラーともいえる作品ですけど、これ、好きです。どうしようもないやるせなさと嘘を隠す主人公の心情が交差して、怖いです。

その他「犬」も面白い。夫の部下に対する愛情が犬を通して、浮き彫りになってきます。こういうところが実に繊細でうまいんだなー。事情を抱えた大人の短編集ですね。

タイトルも実に秀逸。
もう二度と食べたくないあまいもの。二度と食べたくない、恋愛や一時的な欲望や、甘い感情など。甘すぎて、ちょっぴり苦くて切ない恋物語。
実に繊細で、うますぎる作品集でした。

「本の雑誌が選ぶ文庫ベスト10(2008−2009)」第2位。
絲山秋子さんのエッセイです。いやー、痛快、爽快。いろんなところで同感し、いろんなところで笑いをいただきました。

特に「禿礼賛」はシュールで、笑えないんだけど腹の内で大笑いしましたね。

どのエッセイもいいんだけど、最も笑ったのが、「世の中よろず五七調」。これ、すべて五七調で書いてあります。

すごいなー、よく考えたもんだ。それも、しっかりストーリーになっている。

恐るべし、絲山秋子さん。


例えば、「行き詰まり、いつもの連れと飲みに行き。酔わないと、なぜか焦って飲みまくる…」と延々と、この章の最後まで続いていきます。それを考えるだけでも大変な労力だろうに。やはり、これ、文筆家の才能でしょうね。


また、「自分の取説」と題し、自分を取扱書として、読ませています。これも、笑える。

上手いな〜、ホント。これ、どこかで使えそうです。参考にしよっと。


その他、OL時代のこと、自分の性格、群馬と東京での生活など、どれも一気読みの面白さ。

この人、今年読んだ「ばかもの」がすごくよくて、癖のある作家さんなんですが、いいんですよ。他の作家を引き合いに出しながらも、本はほとんど読まない。しかしながら、自分の本が書店に並んでいるかどうか、ちゃんと確認するところなんぞ、やはり作家という職業なんですよね。


抱腹絶倒、爽快感間違いなし。わたしは、「世の中よろず五七調」を読めただけでも、幸せな気持ちでした。絲山さんの痛快エッセイ。絲山さんの作品を知らない方は、この作品から入るのもいいでしょう。それにしても、絲山さんって、背が高かったのですね。意外だったなー、知らなかった…。

 <池袋を舞台に、疾走する少年たち>

これが石田さんの持ち味なのだろう。とってもスピーディーな文体が池袋の若者マコトにピッタリとはまっています。

池袋で果物屋を営む19歳のマコト。裏では池袋界隈のトラブルシューターでもある。次々と起きる事件を切れ味抜群の頭脳で解決し、信頼を得てゆく。事件の解決すると同時に仲間が増えていく。
「池袋ウエストゲートパーク」「エキサイタブルボーイ」「オアシスの恋人」「サンシャイン通り内戦(シヴィル・ウオー)の短編4作。

池袋のキングGボーイズのタカシ、引きこもりの和範、ヤクザのサルと個性的な面々がマコトとともに事件を解決していくが、それぞれが事件に関わっていくことがきっかけで仲間になっていきます。
抜群の信頼を得るマコト。彼が本当に魅力的でかっこいい。その分強烈すぎて、脇が弱い面も。なんせ、ある事件がきっかけで聞くのはクラシック音楽のみ。仕事は果物店。相談を受けたら引き受けてしまう、人情家なんです。

そんなマコトも第4話では恋に落ちる。またこれがいい。マコトと仲間の成長が一作ごとに書かれています。これは続編狙いであるのはいうまでもない。そして、あらかじめTVドラマ化を狙ったかであるかのよう。
この文体はとっつきにくい感もあると思うが、読むに連れてピッタリあってきます。池袋を疾走する少年たちにピッタリはまっているのです。

あっという間の読了でした。
またマコトに会いたい。シリーズ物として期待できそうです。石田さんの策略にまんまとはまった感あり。

ぼくの彼女は、謎に満ちていた――。
これはあらがえない運命だったのか。幸せを信じる男女に降りかかる、残酷な真実。
書店で真剣に本を選ぶ美しい女性――まるで絵画のような光景に見とれた川端直幸。友人の紹介でその女性・高野秋と偶然にも知り合う。やがて始まるふたりの交際。関係が深まる一方で、秋にちらつく深い闇は消えない。そして、ついにその正体が分かる時がやってくるのだが……。【講談社HPより】

書店で出会った彼女と、偶然にも友人の彼女の会社での同僚という話が、うまい話しすぎる気がするのですが、それを除いては、予想以上に面白かったのです。

書店での出会いを描く「ふたつの時計」は彼女、秋が二つの時計を腕にしていたことを、僕、川端直幸が論理的に説明します。しかし、それがなぜかというのは謎のまま。

「ワイン合戦」…友人の黒岩カップルと、川端と秋が食事をしに行った先で見た不思議な光景。カップルがグラス2つにボトルを2本。それぞれに頼んでいる。その論理的説明とは。

「いるべき場所」…川端が秋とショッピングモールで買い物をしていると、一人の子どもに出会う。重たそく、はずれないリュック。この子どもは一体、何を託され、誰を待っているのか。

「晴れた日の傘」…黒岩と千草。千草の父が、黒岩に託した傘。その思いとは。

「まっすぐ進め」…秋の誕生日に行った先は、時間が止まったままの故郷。忘れられない過去を、川端がやさしく解きほぐしてゆく。

という5編の連作短編集です。川端の秋の出会いとその友人たちを描いたものですね。どれもとっても印象的です。「いるべき場所」はとても悲しい話で、せつない。この子の将来を思わざるを得ません。
「晴れた日の傘」は父の思いに涙。そして表題作は、双子の妹の思いを感じた時、秋の心が溶けていくというのが、いいんですね。そんな問題を解決するのが、川端。直幸という、名前はまっすぐに幸せに向かって進め。この名前が彼を動かしているんですね。タイトルは、よくわからなくてどうかなと思ってのですが、これ、日常ミステリなんですけど、しっかり恋愛小説でもあるんですね。どの話も粒ぞろいでいい話でした。

切なく哀しい物語もあるんですが、この二人の将来を考えたら、とっても幸せな気分にさせられる作品でした。そう、この二人、幸せに向かい、「まっすぐ進め」。

評価:
絲山 秋子
新潮社
<過激派から足を洗い旅にでる男>

「アブセント」は過激派のセクトに所属して、逃げ回っていた男が、妹の託児所の手伝いをする決心をし、足を洗うことに。その前にいろんな思いの詰まった京都に出かける。

何といっても京都で出会う番ちゃんが、最高にいいのです。この番ちゃんは実は神父。それも偽なんです。といっても、周囲からそれなりの信頼も得て、それらしいこともいいます。そんな番ちゃんとの短い交流がとってもいいです。

「エスケイプ」は「アブセント」を補完する作品とだけいっておきましょう。この内容を説明すると、重要なところがばれますので。

絲山さんらしく、一癖ある人たちのユーモアある描写。
不思議な作品なんですが、これだから絲山作品はやめられません。

評価:
大崎 梢
東京創元社
<本屋の謎は本屋が解かなきゃ>

図書館返却日のため、レビューをじっくり書けませんでした。
とりあえず、メモ代わりに記しておきます。またいつか、書ける日があればいいのですが。

書店で起こる謎を、ベテランの書店員とバイトの女の子が解いていく連作ミステリー。

それぞれの話に書店の日常と蘊蓄が詰め込まれ、本好きにはたまらない1冊です。
わたしは「標野にて 君が袖振る」「六冊目のメッセージ」が好きです。
こういう話、好きなんだよなー。

とにかく、面白いのです。本好きは思わずにやりです。
これで、終わりなんてもったいない。
と思ったら、続編「晩夏に捧ぐ」も出ているとか。
すぐに読みたくなりました。

オンライン書店ビーケーワン:うつくしい子ども

<やりきれないが、前向きに生きる少年に魅かれる>

石田衣良という作家は、こんなに幅広かったっけと、「IWGP」のイメージが大きいわたしには、大変、驚かされた作品です。
この作品のベースは、酒鬼薔薇事件。それだけに、テーマとしては非常に重い内容でした。しかし、この作品を活かしているのが主人公の少年なのです。

三村幹生(ジャガ)は中学年2年。ある日、少女の猟奇的殺人が学校の裏山で起こる。そこから幹生の生活は、一変するのだった。

殺人事件とともに、変わる生活。それは、痛々しいほどです。マスコミに追われ、夫婦の離婚を強制され、学校にも行けない。そんな加害者としての立場を克明に書いていきます。主人公の視点と新聞記者の視点を巧みに織り交ぜて。
そして、この少年が学校に復帰し、浮かび上がる真実。紛れもないミステリーなんですよね。

そして、物語を活かしているのが、幹生のともだち。長沢君とはるき。それぞれがクスノキに集まり、しだいに打ち解け合う「クスノキの集会」になっていくんですね。そして、お互いの秘密を話していく。友情の話としてもいいんです。しかし、そんな友情にも妨害が…。

新聞記者の視点は必要なのかと思いましたが、これはちゃんと用意されていたんですねー。これもうまい。

では、どこが不満なのかといわれると、やはり、作品の重さと被害者の家族はどうなのかと考えてしまったからです。被害者の家族の描き方があまりに薄い。しかし、それが主体ではないので仕方がないのかもしれませんが。

この作品は主人公の前向きさと強さに魅かれます。不幸な事件を受け止め、前向きに生きていきます。強いんですよ。最後もジーンときました。
「ジャガ頑張れ」と言いたくなるんですよ。

少年犯罪、いじめ、友情、家族。いろんなものが詰まった小説だと思います。
石田衣良さんには失礼ですが、この作品を読んで見直しましたもの。読ませます。
【文春文庫/植物植物植物


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