一定期間更新がないため広告を表示しています

  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

第1回広島本大賞のエントリ作品。
唯一、読んでいる作品です。以前、他のブログで載せたものを再掲載。

わたしにとっては、ほぼ地元なのでご当地小説ですね。
近くで見ることのできる風景が何とも懐かしく感じられました。そして、帰りたいとも。
この小説を書いてくれた、中島さんに感謝したくなりました。中島さんも舞台の松永にいらしてたんですね。どこかで、会っていたかも。そんなことを考えると嬉しくもなりました。

登校拒否になった小3の大輔は、母の故郷・広島県の松永に転校。穏やかな瀬戸内海の町と人に出会い、元気を取り戻した大輔の胸にある思いがわきあがってくる!【ポプラ社HPより】

続きを読む >>

小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。絶対に人に知られてはならない過去。ふたりは下町の谷中で新しい人生を歩み始めた。息詰まる緊張の日々の中、仕事を覚え、人情に触れ、少しずつ喜びや笑いが出はじめた頃──。綾香が魚屋さんに恋してしまった! 心理描写・人物造形の達人が女の友情に斬り込んだ大注目の新シリーズ。ズッコケ新米巡査のアイツも登場。【新潮社HPより】

新作「すれ違う背中を」がシリーズものということを知り、焦って読んだ本がこれです。
予想外と言ったら、失礼ですが、良かったですね。
こういう話はなかなかないんです。記憶だけなら「繋がれた明日」真保裕一ぐらいかな。

ですので、非常に重い話だろうなーと思い、読んでいたのですが、そうでもないです。作者の筆致にもよるんでしょうが、この主人公のキャラが非常にいいからなんですね。
過ちを起こして、服役した二人。谷中に祖母の家をもらい(押し付けられ)、つつましく暮らしている。近所の目を気にしながら。
罪を犯した人たちが、社会に復帰することのむずかしさが描かれています。もちろん、家族との関係も。いたしかたないとは思うんですが、何だか考えさせられました。
この二人にとっての社会復帰は、困難ばかり。
綾香は恋した相手が詐欺師だったり、芭子の勤務先ではセクハラの上司だし。

何とも生きることのむずかしさを感じますね。
しかしながら、この作品を重たくしてないのは、近所との関係、特に大石老人が最高ですね。
かたや若い高木巡査も効いています。

起こしてしまった過ちを思い出したくなくても思い出し、縛られたくなくても縛られる。そんな芭子の生活の支えはムショ仲間の綾香。何事にも明るく前向きな綾香との関係が絶妙にいいんです。
その綾香の生活を垣間見たラストの話「すてる神あれば」はジーンときましたね。
いつしか、この二人を応援していたりして。

続編も楽しみです。



オンライン書店ビーケーワン:通天閣

<ゆっくりでええから、坂上ろう。通天閣が見えるから>

人と関わり切れない。壊れた時計に囲まれた生活。夢すらなく、ただ毎日、工場で働く男。恋人のマメと遠距離恋愛を余儀なくされ、スナックに勤める女。そんな二人に通天閣は優しく問いかける。

この作品でも、西さんは上手いことを痛感しました。関わりを避ける男と、恋人が去った後、「わたしたち別れたわけではない」と信じている女。そんな男と女の日常を、淡々と書いていきます。この手法は西さんお得意ですよね。これが、可笑しい。例えば、男がいつも行く、中華店。女の勤めるスナックの人々。
それは、けっして明るいものではなく、読んでいるうち、どうしようもない気持ちになっていくんです。どこまで落ちるのかという気分なんですね。

しかし、この男の中に、女の中に確かに自分がいるんですね。ぐうたらな男の生活や、
恋人と別れても信じている女の心の会話の中に。それだけ、この会話が印象的。大阪弁も効いています。

ふたりの日常が積み重なった、ラストは二人がいつも見ている通天閣。この時、二人の人生がシンクロします。そして、事実が分かるんですね。巻き込まれた事件に、
会話が実にいいんです。そうきたか!と膝を打ち、なぜか涙がこぼれている。
まんざら、人生も捨てたもんじゃないと思えてくるんです。

本当に、西さんの手腕にやられましたねー。
通天閣に上って恋人と別れた傷心の女に。スナックのママが励まして言うんです。
「ゆっくりでええから、坂上ろう。綺麗な通天閣が、見えるから。いつか、この高みから、いつかの自分を、見下ろせる日が来るから」
それを聞いて女は思うんです。「ガラスが汚い。この窓拭きたい」と。きっと涙でガラスが曇って見えないんですよ。
上手いですねー。こういう描写。
窓を拭きたいというのは、前段があるんですよ。ちゃんと、つながっている。

この二人の人生の続きが読みたい。どうシンクロするんでしょうか。きっと、男は時計に囲まれ、女は寂れたスナックに働いているんでしょうね。
【筑摩書房/時計時計時計時計

オンライン書店ビーケーワン:さくら

<Your love’s put me at the top of the world>

桜が散る季節にその犬と出会った。だから名前は「さくら」。長谷川家と愛犬さくらと過ごした日々がゆっくりとゆっくりと描かれていく。

最初、この作品は愛犬さくらを中心にした家族、動物小説と思っていました。それがまんまと外れてしまいました。
長谷川家の歴史が少しずつ少しずつ、描かれていきます。

格好良すぎて、聡明な兄。誰よりも可愛くて美しい妹。優しい父、美しい母。そんな長谷川家がだんだんと崩れていきます。
崩れていくまでが結構長いので、中だるみの感がありますが、辛抱して読み進めてください。

前半のミキに性教育を施す、お母さんの言葉が非常に感動します。
最後は「ミキ、生まれてきてくれて、有難う」と結ぶんですが、これが、いいんですよ。

兄の恋人矢嶋さんからの手紙が来なくなってしまいます。そこら辺りから物語は急転回に。本当にビックリしてしまいました。
兄の事故から崩壊していく家族。そしてすべてが分かってしまう主人公、薫。母はどんどん、太っていき、アルコール中毒、父は精神的に疲れ、家を出てしまう。
しかし、それも日常の中に横たわっているんです。それを見つめているのが、愛犬さくら。

父が帰ってくるところから、物語は始まります。それにあわせて、主人公が帰省します。
そして、ラストはどきどきも。
いい作品です。本当に上手い作家さんです。
真実が明らかになったとき、涙が…。どうしようもない、やるせない気持ちになります。
しかし、ちゃんとラストでこれからの長谷川家も示唆しており、悲しい物語に希望があるんですね。

本当に作家、西さんの上手さなんでしょうね。どんな出来事も日常の中にあるというメッセージ。だからこそ、淡々と丁寧に長谷川家の出来事を書いていったんですよね。
そして、キャラがいいんです。長谷川家はもとより、父の友だちのサキコさん、ミキの友だちの薫などなど。それぞれが物語にしっかり絡んでいます。

ぜひ、この家族小説を読んでください。読み終わった瞬間、ため息が出てしまうような作品であることは間違いありません。
【小学館/犬犬犬犬




1

PR

Calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>

blog list

最近読んだ本

よしの最近読んだ本

Archive

Mobile

qrcode

Selected Entry

Comment

  • ダブル・ジョーカー 柳 広司
    やっくん
  • 静かにしなさい、でないと 朝倉かすみ
    よし
  • 静かにしなさい、でないと 朝倉かすみ
    ゆう
  • 一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
  • 風の影〈上〉
    ゆこりん
  • 一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
    ゆう
  • 一瞬の風になれ 第一部 --イチニツイテ--
    リベ
  • シャドウ 道尾秀介
    よし
  • モノレールねこ 加納朋子
    よし
  • フィッシュストーリー 伊坂幸太郎 
    よし

Link

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM